アレルギー性鼻炎・花粉症

  • 発症過程
  • 原因抗原
  • 日常の注意は?
  • 診断法
  • 薬物治療
  • 手術
  • 免疫療法

発症のプロセス(Flash)

花粉症を含めて、アレルギー性鼻炎の原因は鼻の粘膜で起こる過剰な免疫反応、すなわちアレルギー反応です。抗原を吸入してから発症するまでには、いくつかのプロセスがあります。

感作

まず、スギ花粉や雑草の花粉、ホコリ、イエダニの死骸や糞など、アレルギーを起こす異物を抗原といいますが、抗原を繰り返し吸入すると、リンパ球がIgE抗体を産生します。このIgE抗体は当該抗原(スギ花粉症ならスギ花粉の抗原)に対してのみ親和性が高く、特異的IgE抗体といいます。このIgE抗体は鼻粘膜に存在する肥満細胞にくっつきます。この状態を感作といいますが、いわばアレルギー準備状態であり、感作されたから即発症するわけではありません。スギ花粉症を例にしますと、日本人の40%が既に感作されており、その半分、すなわち人口の20%の方が発症しています。

アレルギー性鼻炎の発症

さて既に感作された状態で、再び同じ抗原を吸入しますと、抗原はIgEにくっついていきます。この抗原の接着が引き金となって、アレルギー反応が引き起こされます。肥満細胞からは様々な化学伝達物質が分泌され、これらが鼻の粘膜や神経に作用することにより、症状が発現してきます。化学伝達物質には色々なものがありますが、特に活性の強いのがヒスタミンとロイコトリエンです。

ヒスタミンは、感覚神経末端に作用してくしゃみ中枢を刺激、その結果くしゃみが誘発されます。同時に鼻腺からは大量の鼻水が分泌されます。ヒスタミンは同時に鼻粘膜下の毛細血管に作用、うっ血させますので、鼻づまりを引き起こします。ロイコトリエンは、くしゃみ、鼻水に対する作用はヒスタミンほどではないのですが、鼻づまりに対しての作用はヒスタミンよりも強力です。

遅発型反応から非特異的過敏性反応まで

以上が、アレルギー反応の即時型反応と呼ばれるもので、アニメーションもここまでなのですが、一連のアレルギー反応はこれで終わりではありません。即時型反応の後、数時間して今度は好酸球を主役とした遅発型反応というのが起こり、鼻づまりがひどくなります。例えばスギ花粉症で、夜寝る頃になって鼻づまりがひどくなりますが、それが遅発型反応なのです。さらに、こういった一連の抗原・抗体反応を繰り返していると、特に抗原のない状態でも過敏な反応を示し、症状のひどい時間帯が長く続くようになってしまうのです。

アレルギー性鼻炎発症の仕組みを知って治療に生かす

以上のように、アレルギー性鼻炎はいくつもの段階を経て、発症、重症化してきます。現在の所、完璧にアレルギーを抑える治療法はないですが、アレルギー反応のおこる段階を何カ所かでブロックしてしまえば、症状は必ず軽減してきます。

アレルギー性鼻炎の原因となる抗原は、空気中を漂っているもので、花粉では、スギに代表される樹木、イネ科雑草、キク科雑草などが主です。花粉以外にはハウスダスト(綿埃)、ヒョウヒダニの仲間、その他ペット(イヌやネコ)の毛やフケなどです。食餌性アレルギーを起こすもの、例えば卵、ソバなどが鼻炎を起こすことはありません。

季節性アレルギー

抗原の種類により、症状の出る状況や季節には特徴があります。花粉類は季節性のアレルギーを起こします。スギは2〜4月、イネ科雑草(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)は5〜7月、キク科雑草(ヨモギ、ブタクサなど)は8月下旬から9月という風に特定の時期に症状を起こします。

通年性アレルギー

ハウスダストは主成分がダニ抗原なので、ハウスダストとダニアレルギーは一緒に考えて良いのですが、これらは一年中身の回りにあって「通年性アレルギー」を起こします。特に大掃除をしたり、普段使っていない部屋や寝具で寝ると症状がひどくなるなどの場合は、ハウスダストとダニのアレルギーが疑われます。ペットではネコアレルギーが多くみられますが、これも通年性になります。イヌはネコほどアレルギーを起こしにくいのですが、室内犬が増えているので、今後はイヌ毛アレルギーも増えてくるかも知れません。

抗原を調べるには?

原因となっている抗原を調べるには、問診で症状の起こる時期や、きっかけなどを聞くことと、採血や皮内反応などによるアレルゲン検査を行います。採血では血液中の特異的IgE抗体の量を測り、増えていれば原因抗原の可能性が高くなります。アレルギー性鼻炎の患者さんにこの検査を行うと、抗体の陽性率は、スギ、ダニ、ハウスダスト、イネ科雑草、キク科雑草の順となります。

陽性率当院でのアレルゲン検査の結果。スギ、ダニ、イネ科、キク科の順に多いです。スギは陽性率60%を超えています。

 アレルギー性鼻炎といわれて注意すべきは

  • バランスの良い食事を心がけること。
  • タバコ、アルコールは控えること。
  • 適度に運動すること。
  • ストレスは上手に解消すること。
  • 規則正しい生活を心がけ、睡眠を充分に取ること。

などが挙げられます。不摂生やストレスは鼻粘膜を軟弱化して、アレルゲン(抗原)も受け付けやすくしてしまいます。アレルゲンを受け付ける機会が増えれば発症もしやすいし、既に発症している人は重症化しやすくなります。暴飲暴食やタバコ、夜遊びなどでストレスを解消している人はどうしたら良いか?あまりにストイックな生活はそれ自体がストレスになるとすれば、それはなかなか難しいのですが、少しずつ生活習慣を変えていくしかないでしょう。

推奨される習慣

通年性アレルギーの場合は?

通年性アレルギーの原因抗原は、ハウスダストとダニがほとんど。

したがって、日常の注意事項としては、

  • 掃除(特に拭き掃除)をまめにする。
  • カーペットを敷かない。
  • 部屋の換気をよくする。
  • シーツ、カバーはまめに洗濯。
  • 布製のソファーは避ける。
  • ペットは、屋外で飼う。

などが挙げられます。

季節性アレルギー(花粉症)の場合は?

  • 花粉情報に注意する。
  • マスク、めがねを着用する。
  • 帰宅後、服を払い、うがい、洗顔。
  • 風の強い日は窓を開けない。
  • 洗濯物は室内に干す。
  • 外出時の上着は、毛やフリースなどの起毛してあるものを避ける。
などに注意していただくだけでも、症状は軽減するはずです。

耳鼻科を受診した場合は、「問診」→「鼻内の診察」→「検査」→「治療についての相談・アドバイスなど」という順序で診療が進められます。

問診

アレルギー性鼻炎の主症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、同時に咳、喉のイガイガ感、目の痒み、頭痛、微熱なども合併します。

症状の似ている風邪との区別が問題となりますが、おおよそ下の表のような違いがあります。

アレルギー性鼻炎と風邪の違い
  アレルギー性鼻炎 風邪
主な原因 ホコリ、ダニ、花粉など ウイルス、細菌
罹りやすい時期 通年、もしくは花粉の飛ぶ時期 風邪の流行期
症状の続く期間 1〜2ヶ月以上 1〜2週間
症状 くしゃみ 多い 少ない
鼻水・鼻汁 サラサラ、透明 最初は透明だが、後でネバネバ・黄色となる
鼻づまり ある ある
随伴する症状 目の痒み、頭痛、喉のイガイガ感、微熱、咳 寒気、発熱、咽の痛み、咳、痰、関節痛、倦怠感

さらにアレルギー性鼻炎では遺伝的な要素も関係してくるので、親兄弟、子供など、血のつながりのある人に、アレルギー疾患(鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎など)を持つ人がいないかどうかや、患者さん本人が他のアレルギー疾患を持っていないかどうかは、診断のために非常に参考になります。

その他には、症状の起きる状況が重要。例えばほこりっぽいところにいくと悪くなるというのであれば、ダニ・ホコリアレルギーの可能性が、花粉の飛んでいる時期に外出すると悪くなるのであれば花粉症が疑わしいなど、発症のきっかけからアレルギーかどうか、原因抗原は何かまで推測できます。

鼻内の診察

鼻の中は鼻鏡(びきょう)という器具を使って診察する。鼻の中は暗いので、額帯鏡(がくたいきょう)を使い明るく照らしながら、粘膜の腫れ具合や色調、鼻水の量と色、鼻腔の形状などを診ます。まず肉眼での観察を行い、さらに詳しく診察する必要があれば、内視鏡を使うこともあります。

アレルギー性鼻炎の検査

鼻汁中好酸球検査(びじゅうちゅうこうさんきゅうけんさ;鼻汁スメア、ハンセルテストなどともいう。)

アレルギー性鼻炎かどうか確認するために、鼻水を綿棒でぬぐいプレパラートに塗り、顕微鏡で調べます。鼻水の中に好酸球という細胞が増えていればアレルギー性鼻炎の可能性がかなり高いといえます。また、好酸球の量が多ければ多いほどアレルギーの反応も強いことがわかります。逆に風邪の鼻炎では好中球という細胞成分が増えてきます。簡便で有用な検査ですが、鼻水が薄すぎると偽陰性(アレルギー性鼻炎があっても検査で陰性となる)が多くなることが弱点。

鼻咽腔ファイバー検査

肉眼で見えにくい鼻の奥まで内視鏡を入れて、詳細に観察します。鼻茸(はなたけ;鼻ポリープともいう)がないか、副鼻腔へつながる通路は塞がっていないか、鼻水や鼻汁が咽の方に流れ落ちていないか、嗅裂(きゅうれつ)といって臭いを感じる部分の状態など、肉眼では見えにくい所をよく観察します。

最近では、内視鏡は光学式から電子スコープへと移り変わり、画質は驚くほど向上しています。TVモニタに鼻の中や咽の中の様子を映し出すことができるので、以前は医者しか見えなかった病変が患者さんも見ることが出来るようになり、インフォームドコンセントに欠かせない機器となっています。

スクラッチテスト

原因となっている抗原を特定するために行う検査。

両腕の前腕(肘から手首までの間)を針で何カ所か浅く引っ掻いて、スギ、ハウスダスト、ダニなど様々なアレルゲンのエキスを垂らします。原因となっている抗原を垂らした部位のみ皮膚が反応を起こし、赤くなったり腫れたりするので、その反応を見て判定します。

一度に10数種類の抗原について調べることが多いが、所要時間は全部で20分程度です。その場でアレルギー反応を確認できるのはメリットですが、検査がやや煩雑であること、検査部位の皮膚の痒みや腫れ、ごくごくまれであるがアナフィラキシーショックなど全身性のアレルギー反応が起こりえることが欠点。

特異的IgE検査

原因となっている抗原を特定するために行う検査。

採血して抗原に特異的なIgE抗体の量を測定する。1回の採血で何種の抗原でも調べられるのは利点。IgEの値によりスコア化できるので、感作の状態をより詳細に判断できます。ただし、一項目あたり100点と比較的コストのかかるのが欠点。ある程度項目数を絞り、可能性の高い抗原について検索するのが良いと思います。外部の業者に委託しての検査なので、結果が出るまで4日程度を要します。

 

抗アレルギー薬は処方箋を必要とするもの、しないもの、多くの種類のものが発売されていますが、大きく作用機序で分ければ3種類。「抗ヒスタミン作用のあるもの」、「ヒスタミン以外の化学伝達物質の作用を抑制するもの」、「ステロイド」です。

また、それぞれについて内服と点鼻がある。色々な薬剤、剤型があるのは、アレルギー性鼻炎の症状の多様性、患者さんの年齢やライフスタイルなどに対応するためです。

抗ヒスタミン作用のあるもの

アレルギー性鼻炎の諸症状のうち、くしゃみ、鼻水を抑える働きが強い。鼻、目、皮膚の痒みを和らげる作用もあります。逆に、鼻づまりに対する作用はさほど強くはありません。かなり昔からあり、風邪薬などにも含まれる。古くからあるものは、口が渇く、眠くなるなどの副作用が強かったので、副作用を抑える方向で改良が進んできました。以前のものでは、個人差もありますが、運転できなかったり、仕事や勉強にも支障の出るほど眠くなることもあり、内服したいができないという患者さんも多くありました。しかし、眠気のない薬が何種類か発売されました。さらには抗ヒスタミン作用のみならず、好酸球抑制作用なども併せ持ち、より広い意味でのアレルギー反応を抑えるように改良され、鼻づまりにもある程度効くようにはなってきています。医薬品リストなどでは本来の「抗ヒスタミン薬」ではなく、「抗アレルギー薬」と分類されています。

ザジテン、セルテクト、レミカット、アレジオン、エバステル、ジルテック、アレロック、アレグラ、クラリチンなどがあります。最近の傾向として、「内服の回数を少なくする(一日1回〜2回)」、「水無でも飲める」などして、飲み忘れがないように工夫している薬剤が多くなっています。

ヒスタミン以外の化学伝達物質の作用を抑制するもの

ロイコトリエン受容体拮抗剤(オノン、キプレス)、トロンボキサンA2阻害剤(バイナス)など。眠気がないのと、鼻づまりに対する作用が強いのが利点ですが、比較的薬価の高いのが欠点。

内服ステロイド剤

ステロイド剤と抗ヒスタミン剤の合剤である、セレスタミンがよく使われます。ステロイドの強さとしては、プレドニンに換算して2.5 mg程なので、ステロイドとしては決して強い方ではないですが、長期に渡り内服すると副作用の懸念が出てきます。したがってファーストチョイスというよりも、抗アレルギー薬で効かない難治例に対して用いられることが多いのです。

点鼻液

点鼻には、抗アレルギー薬、ステロイド、血管収縮剤があります。抗アレルギー薬とステロイドの点鼻は比較的副作用も少ないので、抗アレルギー薬の内服に追加する形でよく併用されます。また、妊娠している方の場合でも、内服よりも薬剤の血中濃度はかなり低く保たれる利点があるので、妊娠中期、後期には使用可能なものも多いです。

血管収縮剤は、鼻づまりに対して即効性があるが、数時間すると再びつまってくる。連用すると、「薬剤性鼻炎」となり鼻づまりが逆に強くなります。苦しくて眠れないときなどに使うのは良いが、最小限の使用にとどめるべきです。

 

アレルギー性鼻炎に対する手術的治療とは?

アレルギー性鼻炎で鼻がつまるのは、下鼻甲介(かびこうかい;鼻の外側の壁から出っ張っている部分)の腫れあるいは、「むくみ」と「充血」が原因。内服やステロイドの点鼻によってある程度改善はできるが、薬はあくまでも対処療法なので、持続的な効果はない。そこで、頑固な鼻づまり、薬を長期間続けたくない場合には、下鼻甲介に対する手術が勧められます。

術式としては下鼻甲介焼灼術(かびこうかいしょうしゃくじゅつ)という手術が主として行われています。

アレルギー性鼻炎に対する手術の実際

使用する装置としては、高周波という電流か、CO2レーザーという光線を使うのが主流。

一長一短はあるが、比較的効果の持続しやすい高周波を当院では用いています。

高周波による下鼻甲介焼灼術下鼻甲介焼灼術

A:手術前の状態。下鼻甲介が腫れて鼻がつまっています。

B:局所麻酔後、下鼻甲介の前面から後方に向かって、双極針(平行に並んだ電流を流すための針)を刺入。
3cm位刺入したところで、高周波という電流を流します。
高周波というのは電子レンジにも使われているのですが、水分のあるところでは熱を発生する性質があり、
通電すると、下鼻甲介粘膜下のごく狭い範囲で熱が発生。
そこでは熱変性ということが起こり、下鼻甲介の体積が減少します。
また同時に、粘膜下の鼻水を出す、鼻腺や、くしゃみを起こす末梢神経も一部焼灼されますので、くしゃみ、鼻水にもある程度の効果が期待できます。

Cは手術後、下鼻甲介の腫れが引いた状態。空気の通ることの出来るスペース(図の黒い部分)が広がっています。

手術そのものの時間は、左右併せて15分程度。
術前の局所麻酔や、術後の安静のための時間を含めて、所要時間は約1時間程度。

手術当日でも、術後の経過が良ければ、デスクワークなど、肉体的にきつくない仕事は可能。
食事などの日常生活は、ほとんど普段通りで大丈夫。

手術後の経過

術後の合併症としては、術後2,3日は鼻血が少し出易いこと、術後1週間程度は、鼻づまりが一時的に強くなることはあります。術後、下鼻甲介前面の電極を刺入した部位のみに、痂皮(かひ;かさぶたのこと)が付着するので、週2回程度通院していただき除去するようにしています。しかし、CO2レーザーに比べて、術後の痂皮の付着は圧倒的に少ないです。術後2週間程度すると、下鼻甲介の腫れも引いて、痂皮も少なくなるので、鼻づまりが軽くなったと実感できるはずです。治療効果は3〜4年は持続しますが、元々のアレルギーが強い人の場合は、徐々に再び下鼻甲介がは腫れてくることはあります。その場合、再手術も可能。

手術の費用

保険適用の手術で、片側 9,000 円と定められている。両側を一度に行うことが多いので、18,000円とりますが、3割の自己負担であれば、5,400 円です。その他、再診料と処方があれば処方箋料などがかかります。

アレルギー性鼻炎に対する手術はどこで受けられるのか

高周波による下鼻甲介焼灼術は、当院ではもちろん行っているが、レーザーを勧めるところもあるし、手術はしない所もあります。まれに、皮膚科や形成外科でもレーザー手術をやるところはあるようですが、鼻の中の構造や疾患の理解度は耳鼻科にはかなわないので、耳鼻科医以外での手術は勧められません。

当院では、予約にて手術可能ですが、事前の診察は必要で、その際に手術の効果、危険性などについては十分に説明するように心がけてはいます。「手術したら鼻づまりが良くなる見込みはあるのかどうか。」などの相談のみでも問題ないので、気軽に相談していただきたいと思います。 (メールではこちらからどうぞ。)

減感作療法(免疫療法)とは?

免疫療法(減感作療法ともいう)は、アレルギーを”治す”ことのできる唯一の治療法です。免疫療法には、皮下注射で行う皮下免疫療法(SKIT)と、口の中に抗原を入れる舌下免疫療法(SLIT)があります。いずれも、身体にアレルゲンを少しずつ入れていって、過剰になって炎症の原因となっている免疫反応を、”免疫寛容” といい、アレルゲンが入ってきても炎症を起こさない方向に誘導する治療です。当院では、SKIT、SLITいずれも施行可能ですが、今後は、SLITの方をメインに行っていく方針です。

少なくとも3年程度続けることで、抗アレルギー薬の減量や中止するまで、症状が改善する見込みがあります。

減感作療法のメリットは?

減感作療法のメリットは、一旦症状が消失、あるいはほとんど日常生活に支障のない程度に軽減できれば、長期間あるいは半永久的に効果が持続すること。重症のアレルギー性鼻炎では、数年を要するが、それに至る以前にも症状の軽減により、抗アレルギー薬も徐々に減量あるいは休止することが可能。したがって、重症の通年性アレルギーが最も良い適応ですし、その他には、将来、妊娠や出産後の授乳などで胎児や乳児への影響が懸念されることから、薬物療法ができなくなる若い女性があらかじめ受けておくのも良いです。

減感作療法の欠点は?

SKITはスギ花粉とハウスダスト、ダニの治療用アレルゲン、SLITはスギ花粉とダニの治療用アレルゲンしかないこと。(カモガヤやヨモギ、ブタクサなどの花粉や、ネコの毛など他のアレルゲンが原因になっている場合はには治療できない。)
SKITでは、皮下注射を週に1度から月に1度程度で、数年間継続しなければならないこと。SLITでは連日、アレルゲンを舌下にふくまなければならないこと。
ごくまれに起こるアナフィラキシーショックの可能性。
などです。

このうち最も考慮しなければならないのは、アナフィラキシーショックの可能性です。アナフィラキシーショックとは、急激に起こる強い全身性のアレルギー反応のことで、気道浮腫による呼吸困難、血圧の急激な低下、全身のじんま疹などが症状として現れます。これを防ぐため、SKITでは注射するアレルゲンエキスの量は徐々に、徐々に慎重に増やす必要があります。前回注射後に少し強く反応が出た場合には一旦量を減らすこともあり得ます。それでも確率として注射数万回に1回、この治療を受けられる患者さん、数千人に一人ぐらいの割合で、アナフィラキシーショックが起こります。アナフィラキシーショックは注射後30分以内に起こるので、万が一アナフィラキシーショックが起こっても対処できるよう、注射後はしばらく院内で安静にしている必要があります。

どこで受けられるか?

アレルギー科を標榜している医療機関では行っている可能性があります。当院にても行っているが、まずは受診していただきメリット、デメリットを理解していただいた上で受けていただいています。なお、お問い合わせこちらからどうぞ。