鼻づまりについて

  • 鼻の中って?
  • 鼻サイクル
  • 鼻炎の鼻づまり
  • 鼻中隔彎曲症
  • 鼻茸
  • 鼻汁

鼻の中の構造

鼻の中の構造ってどうなっているか、ご存じですか?意外とがらんどうになっていると思っている方もいるのですが、実は外側の壁にはいくつかの棚の様な段々があります。

鼻の構造

正面から見ると一番手前の下の方に下鼻甲介(かびこうかい)、その上でもう少し奥に中鼻甲介(ちゅうびこうかい)があります。
仮に鼻中隔側から鼻の外側の壁を見たとすると、右の側面図のようになります。鼻の穴から入った空気は、中鼻甲介や下鼻甲介の間を通って咽へと流れて行くわけです。

なぜ、鼻の中はがらんどうではなく、こんなに入り組んだ構造になっているのでしょう?

それは、鼻の役割に関係があります。鼻の役割とは単に空気の通り道であるだけでなく、鼻の穴から吸い込まれた空気を、適度に加温、加湿することと、空気中の塵や病原体を除去するフィルターとしての役割があります。そのためには鼻の中の表面積は広い方が有利なので、入り組んだ形になっているのです。

鼻甲介という棚の様な段々は、中心に骨があり表面は粘膜に覆われています。その中間層には血管に富んだ結合組織があります。骨のボリュームというのは変わらないのですが、粘膜と結合組織はふくらんだり縮んだりします。それによって、鼻の通りというのは調整されているのですが、それがうまくいかないと鼻づまりになります。

特に鼻の病気のない人でも、どちらか片方の鼻がつまっているということは良くあって、大抵の人が経験していることです。

鼻サイクル

それは鼻サイクルという現症で、左右交互に鼻の粘膜が腫れることによります。どちらの鼻がつまるかは自律神経がコントロールしているのですが、普通は2〜3時間おきにつまる側と通る側が入れ替わります。何故そのような仕組みが備わっているのかはよく分かりませんが、片側ずつ鼻の粘膜を守ろうという目的なのかも知れません。
横向きで寝る時などは下にした方の鼻がつまりやすいのですが、それは下の方がうっ血しやすいからです。
病気でなくても左右交互に鼻がつまる鼻サイクルですが、アレルギー性鼻炎などになりますと、つまる頻度や程度が増して、よけい辛くなります。

鼻炎で鼻がつまるのは?

鼻炎で鼻がつまるのは鼻の構造のうちでも下鼻甲介が腫れて空気の通り道を塞いでしまうのが多いです。原因となるのはアレルギー性鼻炎、急性鼻炎(いわゆる鼻風邪)、インフルエンザ、薬剤性鼻炎、慢性肥厚性鼻炎などが多いです。

鼻炎のはなづまり

軽いうちは鼻サイクルに伴って片側ずつ交互につまるだけですが、ひどくなると図の様に両側の下鼻甲介が腫れ上がって、両方の鼻づまりを生じます。こうなると鼻で息ができなくなり口呼吸となります。

大抵は元々の鼻炎の治療をお薬でするわけですが、頑固な鼻づまりの場合には下鼻甲介のボリュームを減らす手術をすることもあります。

自己対処法としては、蒸しタオルを鼻に当てることです。 一時的な下鼻甲介の腫れなら、 温熱効果で循環が良くなりますから鼻づまりが軽くはなります。ただし、一時的な効果だけですし、慢性的な鼻づまりではあまり効果がありませんので、やはり何らかの治療は必要。耳鼻科を受診することをお勧めします!

もう一つだけ付け足ししますと、鼻炎の鼻づまりには日内変動があることに気を付けて下さい。大抵鼻づまりは夜にひどくなります。でも日中は比較的通ることが多いはずです。ということで、夜鼻づまりに苦しんでも、日中になると通るから、「まっ、いいか!」ということにしてしまい、また夜に苦しむという人は多いはず。夜だけつまる場合にも治療した方が良いですから、先延ばしにせずにぜひ耳鼻科へ。

鼻中隔彎曲症

左右の鼻の空間を仕切る壁が鼻中隔です。小さな子供の頃はまっすぐなのですが、成長期には「くの字」、「逆くの字」、「S字」、あるいは「逆S字」に曲がってきます。これは誰にでも起こる現象なのですが、特に曲がりが強いと鼻づまりを起こします。

鼻中隔湾曲症

鼻中隔が出っ張ってしまった側がつまるのはもちろんなのですが、反対側も下鼻甲介が代償性に肥厚してくることが多いですから、結局は両側の鼻づまりになります。

治療は手術的に鼻中隔を矯正することです。以前は入院が必要でしたが、術前にCTで詳しく検査し、内視鏡を使うことにより日帰りの外来手術が可能になりました。

鼻茸(鼻ポリープ)

「茸」という漢字を見て、「えっ!鼻の中にキノコが生えるのか!?」とビックリする方もあるかも知れません。また「ポリープというと腫瘍なのか!?」と心配される方もあるかも知れません。ここではその辺の説明を・・

鼻茸

実は鼻茸というのは鼻や副鼻腔の粘膜の一部が炎症を繰り返すことによって、腫れやむくみが戻らなくなり、房状に垂れ下がってしまったものです。

図の様に中鼻甲介と下鼻甲介の間から出てくるものが多いのですが、他にも色々な場所にできます。図では片側だけの例を示しましたが、両側の方がむしろ多いし、何個も鼻茸ができて鼻の中を充満してしまっているケースも結構あります。
鼻の中がポリープで満たされてしまうと、まず鼻呼吸はほとんど不可能となり、これが両側ともなりますとかなり辛いです。

鼻茸のできる原因は副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)やアレルギー性鼻炎など、炎症の長引くものが多いです。

治療は元々の副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対して、鼻処置や内服、点鼻などを行いますが、それで良くならなければ手術的に鼻茸を切除したり、副鼻腔の内視鏡手術をした方が良い場合もあります。

鼻と副鼻腔の粘膜には、本来炎症によるダメージを自力で修復する力が備わっているのですが、それには鼻や副鼻腔がクリーンな空気にさらされる必要があります。 鼻茸が一旦出来てしまうと、それにより換気が悪くなって粘膜が機能不全を起こしてしまいます。こうなると自力での粘膜修復が困難になりますので、炎症が長引きさらに鼻茸は増大するという悪循環に陥ります。したがって悪循環を断ち切って本来の粘膜機能を取り戻しやすい環境を作るというのが治療の主眼となるのです。

鼻汁で鼻がつまるのは?

鼻づまりの原因として一般の方が最も想像しやすいのが、「鼻汁がつまる」という状態なのではないでしょうか。

鼻汁

こんなイメージですが、実は鼻汁がつまって呼吸出来なくなるというケースは想像するほど多くありません。特に花粉症を初めとするアレルギー性鼻炎では、鼻水は多いものの水のようにサラサラしていますから、容易に流れ出してきますので、これが鼻の中に貯まることはまずないのです。 アレルギー性鼻炎でももちろん鼻づまりは起こるのですが、これは以前もお話ししましたとおり下鼻甲介の腫れによることが多いです。

一方で副鼻腔炎になりますと、鼻汁がネバネバしてきて非常に切れにくくなってきますから、鼻汁で鼻がつまるということも起こってきます。副鼻腔というのは鼻から通じている顔面の骨の中にある空洞のことで、そこにネバネバした鼻が貯まりますから、鼻をかんでもなかなかスッキリしないということが起こりやすいです。

それから気を付けなくてはいけないのが、風邪薬にも含まれる抗ヒスタミン薬の使い方です。抗ヒスタミン薬というのは鼻水を止めるのに使われる薬で、薬局で買えるような風邪薬や内科、小児科で処方される総合感冒薬には大抵含まれるのですが、鼻汁の水分を減らしますから、逆に鼻が切れにくくなるという欠点があります。カゼの引き初めでサラサラした鼻水の時は良いのですが、ドロドロ、ネバネバとなったら抗ヒスタミン剤は控えた方が良い場合もあります。

カゼの合併症として副鼻腔炎は要注意で、もし風邪引きの後いつまでも鼻づまりがするとか、ネバネバの鼻汁が続くなどの症状があれば、是非耳鼻科を受診して下さい。