扁桃肥大

扁桃とは?

扁桃(へんとう)とは咽にあるリンパ組織であり、誰の咽にもある正常な構造物です。免疫に関わる臓器で、口や鼻から侵入してきた細菌やウイルスを捕獲して、その情報を全身の免疫系に受け渡しする仕事をしています。ただし、働きは幼児期ぐらいにはほとんど終わってしまい、その後は無用の長物になるといえます。
扁桃には口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌根扁桃などがありますが、口蓋扁桃がもっとも大きく臨床上も需要なので、一般的に扁桃といえば口蓋扁桃を指します。扁桃の大きさは個人差も大きく、また年齢によって大きさは変化します。まず、生まれたときはさほど大きくないのですが、成長に伴って徐々に大きくなります。7歳位でピークに達し、それ以降は逆に縮小します。 

扁桃が大きすぎることによる弊害とは?

扁桃が大きすぎる状態を、扁桃肥大といい、呼吸の妨げになるため、具体的な症状としては、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸などを来します。(下図、参照)

扁桃肥大説明図

耳鼻科受診はどういうときにすべきか?

いびき、口呼吸、睡眠時無呼吸、日中の眠気、活動性の低下などがあれば受診した方がよいでしょう。
また、子供の場合は特に症状がなさそうでも、健診で扁桃肥大と指摘されることもあります。この場合、「要受診」とか「要精査」となっていれば早めに受診させる必要があります。「要経過観察」の場合は、上記のような症状がないか観察し、もし症状があれば受診した方がよいと思います。

診察や検査はどのようなことをするのか?

まずは問診で気道の閉塞の症状がないかどうかを、確かめます。次に、口の中や、鼻の中の視診で、扁桃の大きさや気道が狭そうな所はないかチェックします。問診や視診で、重度の扁桃肥大や気道の閉塞症状が疑われるようであれば、さらに、呼吸の状態を調べる必要があります。当院の場合、終夜睡眠ポリソムノグラフィ(簡易携帯型)を行いますが、これは、呼吸やいびき、血液中の酸素の取込みなどを測る器械で、非常にコンパクトに出来ており、自宅で検査できるのがメリットです。タイマーをセットしておけば、夜寝る時間に自動的に計測が開始しますので、後は呼吸、いびき、体位、酸素飽和度を測るためのセンサーを付けて寝るだけです。2,3日検査して、器械を返却、あとはこちらで器械からデータを取り出せば、寝ている間の呼吸の状態、いびきの程度、酸素不足の有無などを解析することが出来ます。

治療は?

視診上扁桃肥大があって、検査である程度以上の睡眠時無呼吸や、低酸素血症が認められば手術(口蓋扁桃摘出術)が必要です。子供の場合はアデノイド増殖症も同時に存在することが多いので、その場合はアデノイド切除術も同時に行います。いずれにせよ手術は全身麻酔で行うので、一般の開業医ではなく病院で受けることになりますが、入院期間は10日から12日程度は必要となります。