あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院では、扁桃の診療にも力を入れています。
扁桃の疾患といえば、急性扁桃炎、習慣性扁桃炎、慢性扁桃炎、そして膿栓症があります。
治療は薬物療法を中心とした保存的治療と手術療法です。手術療法としては扁桃を全て摘出する扁桃的手術しか行われておらず、この場合は入院と全身麻酔が必要であり、また、術後の出血が2~3%の頻度であり、数日は経口摂取が充分出来ない程度の痛みが必発するという欠点があります。
保存的治療と手術的治療との間には、大きなギャップがあり、現状ではその中間の治療を求められる患者さんのニーズに、どの医療機関も対応し切れていません。
そこで、当院では10年前より扁桃凝固術を外来日帰り手術として行っています。これは、扁桃の陰窩の開放と扁桃の減量を目的とした手術であり、効果も副反応も入院で行う扁桃摘出術よりは遙かにマイルドです。扁桃を高周波で凝固、減量するため、将来的にもし扁桃摘出術が必要となった場合に、癒着などにより手術がしづらくなるのではないかということを心配する一部の耳鼻科専門医の意見もありますが、実際には扁桃の深い部分には凝固の影響はあまり及びませんので、その懸念もないと思われます。
*現在、新型コロナ感染症がかつてないほどの増加傾向を示していますので、落ち着くまでは扁桃凝固を一時的に休止いたします。