耳掃除はとにかくやりすぎないのがポイントです。回数でいうと週に1度程度で十分で、例えば毎日耳かきをするとか、毎日ではなくとも、あまりにしつこく耳のなかを擦ると、外耳道の皮膚のバリアが弱くなり、外耳道炎を起こします。また、使用する器具も昔ながらの竹製のものは、やはり外耳道を傷つけやすいので、それよりは綿棒の方が良いと思います
急性中耳炎でも痛みが落ち着いていて熱もなければ、幼稚園や学校に行っても大丈夫ですし、入浴させても大丈夫です。ただし、耳の中にお風呂の水が入ると、感染がひどくなることもありますので、洗髪は控えるか、耳に水が入らないよう注意する必要があります。同じ理由で水泳も禁止してください。そのほかの生活は普段通りで良いと思います。
まず、一般に子供は中耳炎にかかりやすい傾向があります。それは「もともと免疫力が発展途上にあること」、「耳管が水平に近く、細菌を排除する力も弱いこと」、「アデノイドや副鼻腔炎など、耳管周囲に炎症が起こりやすいこと」などによります。
乳児期より保育所などに預けられている場合は、早くから色々な病原菌にさらされる機会が多くなりますから、それに伴って中耳炎になる機会も増えてきます。また耐性菌といって、抗生剤の効きにくい菌による中耳炎の場合は、なかなか完全には除菌出来ない場合も多く、治ったかに見えて直ぐにまた再燃したりしやすくなります。
逆に言えば、保育所に預けられている子が1〜2歳の頃にしょっちゅう中耳炎になっていたとしても、いずれ落ち着くときが来るということがいえます。それまでは大変ですが根気よく治療を受けさせて下さい。
急性中耳炎の可能性が高いと思われます。痛みがひどければ夜間診療所や病院の救急外来で診てもらいましょう。その場合、耳鼻科医以外の当直医が診察する場合がほとんどですが、それでもある程度の診断はつきますし、薬も処方してもらえますので大丈夫です。もちろん必要があれば耳鼻科医にも相談してくれるはずです。
積極的に小児科を勧める理由は、一つもありません。なぜなら中耳炎の診断には鼓膜を診ることが一番重要で、耳鼻科の方が設備や経験の面で優れているのは間違いないからです。また、急性中耳炎に続発して滲出性中耳炎になることも多く、その場合は聞こえの働きを調べなくてはなりませんが、聴力検査の出来る小児科はまずないでしょう。急性中耳炎に罹るのは鼻が悪いときがほとんどなのですが、鼻を診るのも耳鼻科の医者の方が得意ですから、併せて治療できます。
滲出性中耳炎の主症状は、耳閉感(耳のつまる感じ)と聞こえづらさ(難聴)です。特に乳幼児期にかかりやすいのですが、この年代ではまだ耳の不調を親に伝えられません。ということで、3歳児健診や幼稚園あるいは学校の健診などで始めて発見されることが多いのです。難聴は比較的軽度なのですが、聞こえにくいために言葉を覚えるのが遅くなったり、コミュニケーションが苦手になったり、情緒不安定になったりすることもあります。滲出性中耳炎は痛くない中耳炎なので緊急性は感じられないかもしれませんが、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
子供が滲出性中耳炎にかかりやすいのには、理由があります。子供が滲出性中耳炎にかかりやすいのには、理由があります。まず「耳管の働きが未熟なこと。」、「アデノイドが大きいこと。」、「副鼻腔炎を繰り返しやすいこと。」、「大人よりもかぜを引きやすいこと。」などです。これらの悪条件が重なり滲出性中耳炎を発症するわけですが、逆に悪条件の解消されるのは6歳ぐらいです。ですから治療が数ヶ月から、数年にわたるのはある程度やむを得ないことなのです。ただし、その間きちんと治療を受ければ聞こえも日常生活に支障のないレベルを保てますし、癒着性中耳炎などの慢性化もほとんどの場合は避けられますので、あきらめずに治療を受けて下さい。
耳の異物は子供ではおもちゃのピストルの弾や、マメ類などを自分で入れてしまう場合が多いです。家庭ではなかなか取れませんし、深追いするとかえって外耳道を傷つけてしまいよくありません。無理せずに耳鼻科を受診することをお勧めします。大人では綿棒の先が取れなくなったりすることが多いのですが、時には蛾などの昆虫の場合もあります。昆虫の場合耳の穴を懐中電灯で照らすと虫が誘われて出てくるという話がありますが、そううまくはいかないようです。耳のなかを傷つけられることが多いので、早めに耳鼻科を受診した方がいいです。
特にかぜのような症状もなく、急に聞こえだけが悪くなった場合。心配なのは突発性難聴です。特に、難聴が高度でほとんど聞こえない程度の時と、めまいを伴う場合などは治りにくいこともあります。それでも早く治療を始めれば、それだけ治る確率が高くなりますので、出来るだけ早く耳鼻科を受診しましょう。場合によっては、入院して点滴を受ける必要ながあることもあります。
突発性難聴以外では、耳の異物、耳垢(みみあか)、急性中耳炎、滲出性中耳炎、音響外傷、メニエール病などで急に聞こえが悪くなります。
急なめまいでは、病院を受診するか、安静にするかで迷うときもあると思います。
手足の麻痺や、ろれつが回らないなどのの症状があれば、直ぐにCTやMRIのある総合病院を受診する必要があります。脳梗塞や脳出血の可能性があり、命に関わるからです。その他には耳鳴りや難聴を伴う場合、内耳性のめまいの可能性が高く、時間が経つと内耳障害による難聴が治らなくなることもあるので、早めに耳鼻科を受診しましょう。
逆に、めまい以外の症状がない場合では、良性発作性頭位めまい症や自律神経失調症などが多く、この場合は少し落ち着いてからの受診でも良いと思います。