ほとんどの風邪の原因はウイルスの感染で、抗生剤は必要ありません。ただし、扁桃炎や副鼻腔炎などを併発した場合は、抗生剤が必要となることがあります。
膿栓とは扁桃の陰窩に貯まる白いカスであり、時に口の中に剥がれ落ちて、指で潰せばドブ臭い様な悪臭を放ちます。ですから、これが口臭の原因となる可能性はあります。しかし、口臭の原因は他にも歯周囲炎や肝臓や胃腸の病気のこともありますし、単に唾液が濃縮されている場合などもあります。膿栓が原因となっている口臭であれば、扁桃凝固術などの治療は有効です。
後鼻漏とは、鼻汁などが咽に流れ落ちる状態で、気になる方の場合、それが原因で気分が塞いだり、不眠になったりします。健康な人でもある程度の後鼻漏はあるのですが、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、上咽頭炎などがあると、後鼻漏が多くなります。副鼻腔炎では副鼻腔の自然孔から、アレルギー性鼻炎では鼻粘膜から、上咽頭炎では上咽頭の粘膜から後鼻漏が出てきます。
有効です。まず、インフルエンザに罹る確率を減らしますし、もし罹ったとしても軽く済みます。インフルエンザは非常に感染力の強いウイルスなので、予防接種を受けておくことをお勧めします。
咽頭の最も上にある部分は上咽頭、もしくは鼻咽腔といいますが、鼻から入ってきた空気が一時的に停滞しやすく、病原体や外界の影響を受け易いという特徴があります。1960年代に東京医科歯科大学の耳鼻咽喉科教授であった堀口申作先生は、この鼻咽腔の慢性炎症が後鼻漏、頭痛、めまい、喘息など様々な症状を引き起こすことを見いだし、一般の方も覚えやすいように著書の中で"Bスポット”と命名され、Bスポットに塩化亜鉛を塗布する治療を"Bスポット療法”とし、有効性について多くの報告をしました。しかし、余りに多くの症状に有効とされたことを胡散臭いと思った医師が多かったこと、処置が多少面倒な割には診療報酬として何ら報われないこと、などの理由により、廃れてしまいました。
しかし、最近になって腎臓を専門としている内科医である堀田修先生が、その有効性について報告、耳鼻科医の中にも新たにこの治療を見直そうという動きが出てきました。これを後押ししているのは、内視鏡の進歩です。以前は口腔から鏡で覗くしかなく、炎症の程度もよく分からず、半ば盲目的に治療していましたが、現在は内視鏡で見ながらより精密に、また客観的なデータを取りながら治療が出来るようになりました。名称もBスポット療法ではなく、上咽頭擦過療法というような流れになってきています。当院でも、この内視鏡を使って行う上咽頭擦過療法を行っておりますので、希望される患者さんは、ご相談下さい。