耳の中をよく見ることはとても大切ですが、暗く狭い場所であるため、診察の難しい場所でもあります。詳しく診るためには顕微鏡が有効で、当院でも汎用してますが、顕微鏡の欠点は外耳道が彎曲している場合や耳垢がある場合には、鼓膜が見えづらくなることです。耳の内視鏡は操作がやや難しく採用している施設は少ないのですが、死角が少なく、鼓膜に近づいて見ることができ、少々の耳垢があってもこれを避けて鼓膜を診られることです。
当院では、内視鏡に小型軽量なデジタルカメラを接続、iPadで鼓膜の状態を拡大して確認する方法を開発し臨床応用しています。この新しいビデオシステムで乳児の狭い耳の中であっても、詳細な耳の診察が可能となり、大画面にハイクオリティな画像を表示、しかも記録に残せるようになりました.今まで医師しか見られなかった鼓膜の状態が、患者さんやそのご家族にも確認していただくことが可能となりました。
写真は当システムで撮影した正常な鼓膜画像。このようにきれいな写真が簡単に撮れますので、診断や経過を診るのに非常に役立ちます。
システムの詳細は、ブログ「耳鼻科医の診療日記」で解説していますので、是非御覧下さい。