周囲の音が響く・うるさく聞こえる・聴覚過敏

聴覚過敏とはどのような症状か

聴覚過敏とは、日常の環境音などが過度に大きく聞こえる症状で、不快感を伴います。

性別や年齢に傾向はあるか

聴覚過敏とはあくまでも症状であり、病名ではありません。いろいろな耳や脳の病気や,病気ともいえないような小さなトラブルが原因となり得ます。原因によっては、男女差やある年齢層に起こりやすいとわかっているものもありますが、聴覚過敏全体についてははっきりとは分かっていません。

何が原因で起きているのか

1)耳に原因があるもの

耳には大き過ぎる音が入ってきても、それを緩衝する働きがあります。一つが中耳でのアブミ骨筋反射、もう一つが内耳にある外有毛細胞の働きです。これらが障害されると聴覚過敏になることがあります。

  • 突発性難聴や急性低音障害型感音難聴、メニエール病などの内耳性の難聴で起こる、リクルートメント現象。
  • 顔面神経麻痺によるアブミ骨筋反射の消失。

2)脳に原因のあるもの:脳が音に対して敏感になっている状態。

  • てんかん
  • 片頭痛
  • うつ病
  • 自閉症

など。

3)原因不明のもの

・治療法

難聴を伴う聴覚過敏、特に急性低音障害型感音難聴やメニエール病、突発性難聴に対してはまずは原因疾患の治療を行います。ただし、聴力が改善した後、あるいは固定した状態で聴覚過敏だけが残る場合の治療は、まだ確立されたものがありません。耳鳴り同様、音響療法とカウンセリングが有効という医師もいます。 耳栓を使用される方も多いようですが、聴覚過敏に耳栓が有効かどうかの研究は、あまりないようです。耳栓にもある特定の周波数を抑えるものがあり、これが有効である可能性はあります。

治るのか、治療期間はどの位になるか

これも原因によって異なるので一概にはいえません。 原因のはっきりしているものであれば、比較的早く治るものもあるでしょう。例えば急性低音障害型感音難聴であれば,早ければ数日で治ります。脳に原因のあるものや、原因不明のものは時間がかかるし、治りにくいものもあります。