言葉が聞き取りづらい

概要

音としては分かるが、言葉が聞き取りにくい、あるいは理解しづらいという状態。後迷路性難聴といい、聴神経から大脳の聴皮質に至るまでの、脳内の聴覚伝導路のどこかが障害されていると考えられます。

診察

問診により、急激な発症なのか徐々になのか、他の神経症状がないか、等を確かめます。
視診にては外耳道や鼓膜の異常がないか確かめます。

検査

聴力検査(純音聴力検査)と語音聴力検査を行います。純音聴力検査では大きな異常がない割りに、語音聴力検査で言葉の聞き取りの能力が低下している場合は、後迷路性難聴が疑われます。
当院ではできませんが、聴性誘発反応が障害部位特定に有効なことがあります。
脳MRIで脳内の異常がないか確かめる必要のあることもあります。
考えられる疾患
言葉の聞き取りが悪くなった場合に最も多いのは、老人性難聴です。これは聴覚伝導路全体の老化で、徐々に進行します。
比較的急激に進行してきた後迷路性難聴難聴では、脳内の血管障害、出血、腫瘍、変性疾患なども考えられます。

治療

老人性難聴では進行は非常にゆっくりなのですが、治療法がないので、必要に応じて補聴器を付ける様勧めていきます。
脳内の血管障害、出血、腫瘍、変性疾患では、耳鼻科単独での治療は困難となりますので、神経内科や脳神経外科と協力して精査、治療にあたります。