自分の声がいつもより大きく聞こえることを「自声強聴」といい、色々の原因で起こると考えられます。その他、自分の声がいつもと違って聞こえるということを訴える方もあります。
問診では、急になったのか徐々になのか、片側か両側か、急に痩せたりしなかったかなどを確かめます。
視診では外耳道や鼓膜の状態をよく確かめます。特に「髪の毛や耳垢や他の異物が鼓膜にあたったりしていないか。」、「呼吸に伴って鼓膜がペコペコ動いたりしないか(これは耳管開放症で見られます)。」等をよく診ます。
聴力検査で難聴がないかどうかをよく確かめます。自覚していない難聴が原因となっていることもあります。
ティンパノメトリィで鼓膜の動き方をよく確かめます。滲出性中耳炎では鼓膜の動きが悪くなっていますし、耳管開放症では逆に鼓膜の張りがなくなって動きすぎることもありますし、呼吸によって鼓膜がペコペコ動くため、波形がぎざぎざになったりします。
耳管開放症が疑われる場合には耳管機能検査を行い、耳管の空気の通りやすさが適正かどうかを調べます。
外耳道に原因のある場合:外耳道異物、耳垢(栓塞)
中耳に原因のある場合:耳管開放症
内耳に原因のある場合:低音障害型感音難聴、メニエール病など。
外耳道の耳垢や異物が鼓膜に当たっているだけであれば、それらを取り除けば良くなります。
低音障害型感音難聴、メニエール病などにより、難聴があればその原因を治療します。
耳管開放症であれば、耳管開口部に薬品を塗る治療などを行うか、漢方の内服、耳管を狭くするための「耳管ピン」の挿入などを考えます。