耳の痛み
問診では、耳が痛くなる前にカゼの症状がなかったか、耳をいじったりしなかったかということをよく確かめます。子供の場合は急性中耳炎の疑いが強いのですが、特に0歳から3歳と小さいうちから、保育所に預けられている子の場合は重症化しやすく、また繰り返したりしやすいので要注意です。
視診では、まず外耳や鼓膜の状態を顕微鏡や内視鏡を使ってよく確かめます。外耳炎ででは外耳道が赤く腫れていることが多いですし、中耳炎では鼓膜が充血していたり鼓膜の向こう側に膿が透けて見えたりします。視診のみでははっきりしなくても、外耳炎が疑わしい時は、耳たぶを引っ張っていたくないか、耳の穴の前の軟骨の出っ張りを押しても痛くないかなども確かめます。
もし耳に異常がなければ、咽や顎の関節や頸のリンパ節の炎症がないかも、視診や触診によって確かめます。
難聴も疑われる場合は聴力検査。耳漏(耳だれ)があれば細菌培養検査。
急性中耳炎、真珠腫性中耳炎、外耳炎、外耳道真菌症、鼓膜炎、急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、顎関節症、頸部リンパ節炎など。
急性中耳炎では抗生剤の内服が基本ですが、鼓膜の腫れが強い場合は鼓膜を切開して膿を抜きます。鎮痛剤は基本的には飲み薬ですが、痛みがひどいときは座薬も処方します。外耳炎では耳をいじらない様にお話して、抗生剤や消炎鎮痛剤を処方します。急性扁桃炎や頸部リンパ節炎でも抗生剤と消炎鎮痛剤の内服が基本ですが、扁桃周囲膿瘍などになっているときには、口の中から膿瘍を切開して膿を出します。