メニエール病

メニエル病、メニエル氏病ということもあります。 難聴、耳鳴、めまいを三主徴とする。めまいを伴わないものは蝸牛型メニエール病といいますが、めまいがない場合は低音障害型感音性難聴との鑑別が難しくなります。かつて、めまいがすれば全てメニエール病といわれた時代がありましたが、実際にはめまいのする患者さんのうちの数パーセント程度と思われ、さほど頻度は高くありません。 難聴は発症時は低音障害型が多いのですが、発作を繰り返す毎に水平型に近づきます。耳鳴は非発作時にも持続することもありますが、発作時に強くなります。めまいは発作時には回転性(周りがぐるぐる回る、自分がぐるぐる回る)に強く、特に初回発作時が最も強いです。ある程度落ち着いてくるとフワフワした感じや、まっすぐ歩こうっとしてもどちらかに寄りそうな感じになる程度であることも多いになります。 治療は薬物療法が中心で、非発作時には高浸透圧利尿剤(イソバイド、メニレットゼリー)、ビタミンB12などを内服しますが、発作時にはそれに加えてステロイドを用いることもあります。また、発作に対する恐怖が強く、それがまたストレスになり発作を誘発してしまうような悪循環に陥っている場合には、精神安定剤や抗不安薬も併用します。めまいに対しては手術も有効なケースもありますが、進行したメニエール病の聴力を改善させる術式はありません。