加齢による感音難聴(老人性難聴)

特に耳の病気をしたことがなくても、聴力は加齢とともに高音域から徐々に低下してきます。聴力検査をすると特に難聴の自覚のない人でも早い人では30代から、また多くの人は50代から高音部から徐々に聞こえにくくなってきます。急激な変化はないので本人は自覚していないこともありますし、また聞こえなくなることを恥ずかしがる風潮があるので、人の話が聞き取れなくなっても聞こえたふりをしてしまうこともあります。難聴によるコミュニケーション障害が生じると、当人は周囲から孤立してしまいがちになったり、受け答えがちぐはぐになってしまうことにより、実際よりも知能が低下したような誤解を受けてしまうことすらあるのです。残念ながら治療法はないので、ある程度進行してコミュニケーション障害が生じる場合は補聴器を付けるのが最善の策となります。さらに家族を中心とした周囲の人々が、難聴者の置かれている状況に理解を示していくことが大切になってきます。具体的には、はっきりゆっくり話すこと。聞き返されてもイライラせず根気よく話すこと、などが大切です。