物理的な外力で、鼓膜が破れた状態。誤って耳かきなどで直接鼓膜を突っついて起こることが多いのですが、意外なところでは、耳に平手打ちを食らって、強い気圧がかかって鼓膜が破れてしまうこともあります。
鼓膜が破れたからといって、全然聞こえなくなるということはありませんが、鼓膜に開いた穴の大きさに応じて様々な程度の難聴が生じます。鼓膜には再生能力がありますので、開いた穴が小さければ数日程度で治癒します。ただし、残った鼓膜や中耳に感染を起こすと耳漏(じろう;耳だれ)が出て、鼓膜が再生しにくくなってしまいますので、感染の予防が肝心です。具体的には耳に水を入れないように気を付けることと、抗生剤を飲むことなどです。
不幸にも鼓膜の大部分が損傷した場合などは穿孔が閉じなくなることもあり、その場合は、鼓膜穿孔閉鎖術もしくは鼓膜形成術が必要です。鼓膜穿孔閉鎖術は、外来で行うことが可能です。鼓膜形成術は日帰りで可能な場合と、数日間の入院を要することもあります。