突発性難聴

突発性難聴とは、特別な誘因がなく,ある日突然発症する内耳性難聴です。症状は突然聞こえなくなることですが、耳鳴りやめまい、聴覚過敏などを伴うこともあります。直接的な原因は内耳へのウイルス感染、内耳の微小循環障害、自己免疫(自分の身体を攻撃しようとする抗体が作られ、内耳をターゲットとして認識、破壊する)などが考えられています。風邪症状や過度の心的ストレス、過重労働などによる体力的な疲れなどがあると発症しやすくなります。 内耳は耳を構成している中で最も深部にあり、しかも微細な構造が聞こえの機能を支えているので、そこで何が起こって突発性難聴になるのかは、まだ推測の域を出ないところがあります。 ステロイドの点滴療法が行われることが多いのですが、必ずしも全例に効果があるわけではないので、その他には高圧酸素療法、抗ウイルス剤の点滴、ビタミン剤、循環改善剤などを組み合わせて治療します。最近ではステロイドの鼓室内投与が治療のトレンドとなっていますが、残念ながら従来の治療法よりも遙かに優れているというわけではなさそうです。 発症後の時間経過とともに、治る確率は低くなりますので、出来るだけ早く治療を始めることが大切です。